Manufacturing Process

製造プロセス

社内一貫体制の製造プロセス

丸昭では革製品の企画から製造、検品、納品まで自社内で全て行える社内一貫体制を整備しています。「社内に製造体制を整備しよう」というこの挑戦は、20年以上前にスタートしました。消費が落ち込み、革製品の製造現場がコストの安い中国にシフトすることで、日本の職人が急激に減少していた頃です。「このままでは日本のものづくりが消えてしまう」と危機感を覚え、私たちはそれまで職人に依頼していた製造工程を、なんとか自分たちでできないかと考えたのです。
職人を招聘し、その技を社員で受け継いでいきました。そして若手を積極的に採用し、工程を細かく分解して技術を伝承し、社内の製造部門を充実させていったのです。また徹底した検品ルールを作り、高品質な「メイド・イン・ジャパン」を生み出す体制も整備しました。

現在では、お客さまと企画段階から協力し、提案、量産体制の確立、製造、検品、納品まで全て社内で行うことができます。製造を行うのは平均37歳の若い職人たち。これが丸昭の考える、これからの日本の製造業を担う、新しいものづくりのスタイルです。

製造プロセス

企画planning

お客さまからいただいたイメージやデザインをもとに、
生産時の効率性や財布の機能性を考え、
使用する革に適した商品サンプルを作製してご提案します。
製品化が決まれば、生産管理に仕様書を作成し、量産を始めます。
より良い商品作りのため、量産商品の品質確認も行い、
技術向上のため製造ラインにノウハウを伝達します。

革の検品と裁断Checking and the Leathers

材料の革・裏地を裁断していきます。
大量生産される製品に関しては、型を作成して「クリッカー」と呼ばれる裁断機で裁断を行います。
少量生産の商品の場合はCADデータを使い、コンピュータ裁断機で裁断を行います。革の吟味は非常に繊細かつ、製造工程の中でも重要な作業。
「ほんもの」を知る職人が、1枚ずつ丁寧に吟味しながら裁断を行っています。

版押しEmbossing

革にお客さまのブランドロゴやマークを刻印する工程です。
ロゴやマークはブランドを表す非常に重要なもの。
革の材質や特徴に精通した職人が、
それぞれの革にあわせて細かく温度や圧力を調整しながら
刻印を施していきます。

漉きSkiving

革を薄く削る作業を「漉き(すき)」といいます。この「漉き」には様々な種類があります。
「大漉き」は製品のイメージにあわせてパーツごとに0.2~1.5mm単位の精度で漉いて調整する作業をいいます。「コバ漉き」はパーツ一辺一辺を漉く作業をさします。
コバ漉きも細かく、「ヘリ漉き」「漉き落とし」「折れ漉き」などパーツ、上がりイメージに合わせ様々に分けられます。漉きは、製品の品質を大きく左右する重要な作業です。

貼り込み・縫製Sewing and Sticking

裁断・漉きが終わった革素材をしっかりと検品した後、
貼り込み・縫製を行います。型紙と仕様書に従い、正確に作業を行います。
製品の角部分の処理や、ミシンの縫い目の大きさ・間隔など、
非常に細かい細部ひとつ一つを丁寧に仕上げなければ、
全体の完成度は高く保てません。
メイド・イン・ジャパンのものづくりの粋といえる作業です。

特殊二次加工Special Processing

特殊二次加工では、さまざまな仕上加工が行われます。どんな加工でも対応できるように、各専用設備を整えています。特に当社が力を入れているのはコバ処理です。
コバとは革の断面のことで、「コバの処理を見れば品質の高さがわかる」と言われるほど。
新社屋では専用設備を新設し、より安全・快適に作業が行える環境が充実しました。
防音・防塵体制を完備し、空調換気も万全。有機溶剤などを使用する際でも、マスク無しで安全に作業が行えます。環境にやさしく、職人の健康も配慮した製造設備は、世界でもトップクラスと自負しています。

検品・箱詰めChecking & Packing

できあがった製品の検品および箱詰めを行います。
軽微な修繕などはこの工程で実施します。
検品には、商品仕様書とチェック項目書を元に、
高水準のクオリティ維持を実現しています。
また、検品結果については商品管理部・製造部・生産管理部と共有し、
製造工程の見直しとミスの再発防止に努めています。

納品Delivery

箱詰めされた製品を、お客さまのもとへ
責任を持って納品させていただきます。