ものづくりの現場
社内一貫体制の製造プロセス

 丸昭では革小物の企画から製造、検品、納品まで自社内で全て行える社内一貫体制を整備しています。「社内に製造体制を整備しよう」というこの挑戦は、20年以上前にスタートしました。消費が落ち込み、革小物の製造現場がコストの安い中国にシフトすることで、日本の職人が急激に減少していた頃です。「このままでは日本のものづくりが消えてしまう」と危機感を覚え、私たちはそれまで職人に依頼していた製造工程を、なんとか自分たちでできないかと考えたのです。職人を招聘し、その技を社員で受け継いでいきました。そして若手を積極的に採用し、工程を細かく分解して技術を伝承し、社内の製造部を充実させていったのです。また徹底した検品ルールを作り、高品質な「メイド・イン・ジャパン」を生み出す体制も整備しました。

 現在では、お客さまと企画段階から協力し、提案、量産体制の確立、製造、検品、納品まで全て社内で行うことができます。製造を行うのは平均32歳の若い職人たち。これが丸昭の考える、これからの日本の製造業を担う、新しいものづくりのスタイルです。

製造プロセス

企画 Planning

お客さまからいただいたイメージやデザインをもとに、
生産時の効率性や財布の機能性を考え、
使用する革に適した商品サンプルを作製してご提案します。
製品化が決まれば、生産管理に仕様書を作成し、量産を始めます。
より良い商品作りのため、量産商品の品質確認も行い、
技術向上のため製造ラインにノウハウを伝達します。

皮の検品と裁断 Checking and Cutting the Leathers

材料の革・裏地を型を使用して裁断していきます。
大量生産される製品に関しては、型を作成して裁断を行います。
少量生産の商品の場合はCADデータを使い、
コンピュータ裁断機で裁断を行います。
革の吟味は非常に繊細かつ、製造工程の中でも重要な作業。
「ほんもの」を知る職人が、
1枚ずつ丁寧に吟味しながら裁断を行っています。

皮の検品
革を熟知した職人が、製品に使われる革に傷やしわなどがないか目と手を使って丹念に検品を行います。

コンピュータ裁断機
CADデータを使って自動で革を裁断できる設備です。革小物製造でこの設備を持っている企業はほとんどありません。

裁断機
『クリッカー』と呼ばれる裁断機では、専用の金型をプレスして革から材料をくりぬきます。

判押し Embossing

革にお客さまのブランドロゴやマークを刻印する工程です。
ロゴやマークはブランドを表す非常に重要なもの。
革の材質や特徴に精通した職人が、
それぞれの革にあわせて細かく温度や圧力を調整しながら
刻印を施していきます。

判押し
機械を微調整しながら、同じ場所に、同じように正確に刻印を施していきます。

漉き Skiving

革を薄く削る作業を「漉き(すき)」といいます。
この「漉き」には様々な種類があります。
「大漉き」は製品のイメージにあわせてパーツごとに
0.2〜1.5mm単位の精度で漉いて調整する作業をいいます。
「コバ漉き」はパーツ一辺一辺を漉く作業をさします。
コバ漉きも細かく、「ヘリ漉き」「漉き落とし」「折れ漉き」など
パーツ、上がりイメージに合わせ様々に分けられます。
漉きは、製品の品質を大きく左右する重要な作業です。

コバ漉き
大漉きよりさらに繊細さと正確さが求められます。漉きの出来が製品の美しさを左右します。

縫製・貼り込み Sewing and Sticking

裁断・漉きが終わった革素材をしっかりと検品した後、
貼り込み・縫製を行います。
型紙と仕様書に従い、正確に作業を行います。
製品の角部分の処理や、ミシンの縫い目の大きさ・間隔など、
非常に細かい細部ひとつ一つを丁寧に仕上げなければ、
全体の完成度は高く保てません。
メイド・イン・ジャパンのものづくりの粋といえる作業です。

作業テーブル型局所排気装置
製造部内の全ての作業台に有機溶剤の排気装置を設置しています。

貼り込み
糊などを使って革素材を貼り合わせていきます。ミリ単位のズレも許されない繊細な作業です。

縫製
ミシンや手縫いなど製品によって様々。一針一針が製品の印象を左右する重要な工程です。

特殊二次加工 Special Processing

特殊二次加工では、さまざまな仕上加工が行われます。
どんな加工でも対応できるように、各専用設備を整えています。
特に当社が力を入れているのはコバ処理です。
コバとは革の断面のことで、
「コバの処理を見れば品質の高さがわかる」と言われるほど。
新社屋では専用設備を新設し、
より安全・快適に作業が行える環境が充実しました。
防音・防塵体制を完備し、空調換気も万全。
有機溶剤などを使用する際でも、マスク無しで安全に作業が行えます。
環境にやさしく、職人の健康も配慮した製造設備は、
世界でもトップクラスと自負しています。

サンダー室
コバ処理を行う専用室です。粉塵を全て吸い取る換気設備付きのテーブルを設置しています。

ガン吹き室
製品のシャドー吹きや、ツヤ処理なども行います。

バフ室
製品や革のツヤ出し、アドバン加工、ヴィンテージ加工を行います。

検品・箱詰め Checking & Packing

できあがった製品の検品および箱詰めを行います。
軽微な修繕などはこの工程で実施します。
検品には、商品仕様書とチェック項目書を元に、
高水準のクオリティ維持を実現しています。
また、検品結果については商品管理部・製造部・生産管理部と共有し、
製造工程の見直しとミスの再発防止に努めています。

検品
見逃しを防止する作業手順と厳格な検品ルールを導入し、高品質の製品だけを出荷します。

納品 Delivery 箱詰めされた商品を、お客さまのもとへ責任を持って納品させていただきます。